
おはようございます、岡山県の解体・土地整備専門店【株式会社いろは】です。
建物を解体する際「解体」と聞くと上部にある構造物を壊すことだけをイメージしがちです。
しかし実は建物の土台を支えていた「杭」の撤去も非常に重要なプロセスとなります。
この杭を地中から引き抜く「杭抜き解体」は、なぜ必要なのでしょうか?

【土地の再利用を可能にするため】
解体後の土地を売却したり新しい建物を建てたりする場合、地中に古い杭が残っていると大きな障害となります。
①新しい建物の基礎工事ができない
古い杭の場所によっては新しい建物の基礎を打つことができません。
建物の設計変更が必要になったり、杭を避けて基礎を打つための追加費用が発生したりする可能性があります。
②地盤の安定性が損なわれる可能性
地中に古い杭が残っていると地盤の強度が均一でなくなり新しい建物の沈下や傾きのリスクが高まることがあります。
杭抜き解体を行うことで土地をまっさらな状態に戻し、将来の土地利用の選択肢を広げることができます。

【地下水の汚染を防ぐため】
古い杭の中には、コンクリートや鉄骨だけでなく有害物質が含まれている場合があります。
これらの物質が地中に残ると、地下水に溶け出して汚染を引き起こす可能性があります。
特に「PC杭(プレキャストコンクリート杭)」などの古い杭には、六価クロムなどの有害物質が使われていることがあり、環境規制の対象となることがあります。
杭抜き解体は、このような環境リスクを未然に防ぎ、クリーンな土地を次世代に引き継ぐためにも不可欠な作業です。
【トラブルを未然に防ぐため】
地中に杭が残っていることを知らずに土地を売却してしまうと、購入後に買主との間でトラブルに発展する可能性があります。
将来的に土地の価値が下がったり、杭の撤去費用を請求されたりするリスクも考えられます。
杭抜き解体は、こうした潜在的なトラブルを回避し、土地を安心して取引するための「義務」とも言えるでしょう。

【杭の種類と解体費用】
杭抜き解体は、一見すると手間と費用がかかる作業ですが、その種類によって工法や費用が大きく異なります。
①既製コンクリート杭
工場で製造された杭で、最も一般的です。
②場所打ちコンクリート杭
現場で穴を掘り、コンクリートを流し込んで作る杭です。
③鋼管杭
鋼鉄製の杭で、地震に強いのが特徴です。

杭抜き解体には、地中から杭を「引っこ抜く」単純な方法から、杭の上部を「圧砕」したり、地中で「切断」したりする工法があります。
どの工法が適切かは、杭の種類・本数・地盤の状況、そして周辺環境によって決まります。
専門業者に依頼し、現場の状況をしっかり調査してもらうことが不可欠です。
【まとめ】
杭抜き解体は、単に費用がかかるだけの作業ではありません。
土地の価値を最大限に引き出し、安全でクリーンな土地を未来へつなぐための重要な投資です。
解体計画を立てる際は、上部構造物だけでなく杭抜き解体の必要性も十分に検討し専門家と相談することをおすすめします。
